教会での礼拝とは

教会で礼拝するとは

✡「礼拝」の原語について

旧約聖書
 
①「シャカ」
・創22:5「アブラハムは若者に言った。「お前たちは、ろばと一緒にここで待っていなさい。わたしと息子はあそこへ行って、礼拝をして、また戻ってくる。」」
・出エ33:10「雲の柱が幕屋の入り口に立つのを見ると、民は全員起立し、おのおの自分の天幕の入り口で礼拝した。」
など、166箇所で使われている言葉は「Shachahシャカ」という語で、
「身をかがめて」「地に伏して」「拝して」「拝み」「おじぎして」等と訳され、低くなる動作を伴っています。
例えば、
創世記「18:2 目を上げて見ると、三人の人が彼に向かって立っていた。アブラハムはすぐに天幕の入り口から走り出て迎え、地にひれ伏して、」「24:26 彼はひざまずいて主を伏し拝み、」「24:52 アブラハムの僕はこの言葉を聞くと、地に伏して主を拝した。」「33:3 ヤコブはそれから、先頭に進み出て、兄のもとに着くまでに七度地にひれ伏した。」「37:9 ヨセフはまた別の夢を見て、それを兄たちに話した。「わたしはまた夢を見ました。太陽と月と十一の星がわたしにひれ伏しているのです。」」
出エジプト記「4:31 民は信じた。また、主が親しくイスラエルの人々を顧み、彼らの苦しみを御覧になったということを聞き、ひれ伏して礼拝した。」「12:27 こう答えなさい。『これが主の過越の犠牲である。主がエジプト人を撃たれたとき、エジプトにいたイスラエルの人々の家を過ぎ越し、我々の家を救われたのである』と。」民はひれ伏して礼拝した。」「20:5 あなたはそれらに向かってひれ伏したり、それらに仕えたりしてはならない。わたしは主、あなたの神。わたしは熱情の神である。わたしを否む者には、父祖の罪を子孫に三代、四代までも問うが、」「34:8 モーセは急いで地にひざまずき、ひれ伏して、」
詩編「5:8 しかしわたしは、深い慈しみをいただいて/あなたの家に入り、聖なる宮に向かってひれ伏し/あなたを畏れ敬います。」「22:28 地の果てまで/すべての人が主を認め、御もとに立ち帰り/国々の民が御前にひれ伏しますように。」「66:4 全地はあなたに向かってひれ伏し/あなたをほめ歌い/御名をほめ歌います」と。」「99:5 我らの神、主をあがめよ。その足台に向かってひれ伏せ。主は聖なる方。」「132:7 わたしたちは主のいます所に行き/御足を置かれる所に向かって伏し拝もう。」
 
②「アバード」
・出エ3:12「神は言われた。「わたしは必ずあなたと共にいる。このことこそ、わたしがあなたを遣わすしるしである。あなたが民をエジプトから導き出したとき、あなたたちはこの山で神に仕える。」」
・申10:12「イスラエルよ。今、あなたの神、主があなたに求めておられることは何か。ただ、あなたの神、主を畏れてそのすべての道に従って歩み、主を愛し、心を尽くし、魂を尽くしてあなたの神、主に仕え、」
・詩100:2「喜び祝い、主に仕え/喜び歌って御前に進み出よ。」
など、263箇所で使われている言葉は「abadアバード」という語で、
他には「耕す」「働く」「(奴隷として)使われる」等と訳されていて、力を尽くして働く意味があります。
例えば、
創世記「2:15 主なる神は人を連れて来て、エデンの園に住まわせ、人がそこを耕し、守るようにされた。」「15:13 主はアブラムに言われた。「よく覚えておくがよい。あなたの子孫は異邦の国で寄留者となり、四百年の間奴隷として仕え、苦しめられるであろう。」「29:18 ヤコブラケルを愛していたので、「下の娘のラケルをくださるなら、わたしは七年間あなたの所で働きます」と言った。」「30:29 ヤコブは言った。「わたしがどんなにあなたのために尽くし、家畜の世話をしてきたかよくご存じのはずです。」「49:15 彼にはその土地が快く/好ましい休息の場となった。彼はそこで背をかがめて荷を担い/苦役の奴隷に身を落とす。」
出エジプト記「5:18 すぐに行って働け。わらは与えない。しかし、割り当てられた量のれんがは必ず仕上げよ。」」「6:5 わたしはまた、エジプト人奴隷となっているイスラエルの人々のうめき声を聞き、わたしの契約を思い起こした。」「9:1 主はモーセに言われた。「ファラオのもとに行って彼に告げなさい。ヘブライ人の神、主はこう言われた。『わたしの民を去らせ、わたしに仕えさせよ』と。」「13:5 主が、あなたに与えると先祖に誓われた乳と蜜の流れる土地、カナン人、ヘト人、アモリ人、ヒビ人、エブス人の土地にあなたを導き入れられるとき、あなたはこの月にこの儀式を行わねばならない。」「20:5 あなたはそれらに向かってひれ伏したり、それらに仕えたりしてはならない。わたしは主、あなたの神。わたしは熱情の神である。わたしを否む者には、父祖の罪を子孫に三代、四代までも問うが、」
申命記「5:13 六日の間働いて、何であれあなたの仕事をし、」「6:13 あなたの神、主を畏れ、主にのみ仕え、その御名によって誓いなさい。」「10:12 イスラエルよ。今、あなたの神、主があなたに求めておられることは何か。ただ、あなたの神、主を畏れてそのすべての道に従って歩み、主を愛し、心を尽くし、魂を尽くしてあなたの神、主に仕え、」「28:14 あなたは、今日わたしが命じるすべての言葉から離れて左右にそれ、他の神々に従い仕えてはならない。」「28:39 ぶどう畑を作って手を入れても、虫に実を食われてしまい、収穫はなく、ぶどう酒を飲むことはできない。」「28:47 あなたが、すべてに豊かでありながら、心からの喜びと幸せに溢れてあなたの神、主に仕えないので、」
詩編「2:11 畏れ敬って、主に仕え/おののきつつ、喜び躍れ。」「22:30 命に溢れてこの地に住む者はことごとく/主にひれ伏し/塵に下った者もすべて御前に身を屈めます。」「72:11 すべての王が彼の前にひれ伏し/すべての国が彼に仕えますように。」「100:2 喜び祝い、主に仕え/喜び歌って御前に進み出よ。」
 
他にも「ハーヴァー・かがむ、おじぎをする」「カーラ・ひれ伏す」「バーラフ・ひざまづく」などがあるそうです。
 
 
新約聖書
 
①「プロスクネオー」語源は「クネオー・接吻する」
・ヨハ4:24「神は霊である。だから、神を礼拝する者は、霊と真理をもって礼拝しなければならない」の箇所の語で、54回使われていますが、そのほとんどは「拝む」「ひれ伏して」「拝し」と訳されていて、イエスさまに癒されるために走って来る人の態度として描かれています。
例えば、
マタイ福音書「2:2 言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」」「4:10 すると、イエスは言われた。「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、/ただ主に仕えよ』/と書いてある。」」「8:2 すると、一人の重い皮膚病を患っている人がイエスに近寄り、ひれ伏して、「主よ、御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と言った。」「9:18 イエスがこのようなことを話しておられると、ある指導者がそばに来て、ひれ伏して言った。「わたしの娘がたったいま死にました。でも、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、生き返るでしょう。」」「14:33 舟の中にいた人たちは、「本当に、あなたは神の子です」と言ってイエス拝んだ。」
黙示録「4:10 二十四人の長老は、玉座に着いておられる方の前にひれ伏して、世々限りなく生きておられる方を礼拝し、自分たちの冠を玉座の前に投げ出して言った。」「5:14 四つの生き物は「アーメン」と言い、長老たちはひれ伏して礼拝した。」「7:11 また、天使たちは皆、玉座、長老たち、そして四つの生き物を囲んで立っていたが、玉座の前にひれ伏し、神を礼拝して、」「13:8 地上に住む者で、天地創造の時から、屠られた小羊の命の書にその名が記されていない者たちは皆、この獣を拝むであろう。」「15:4 主よ、だれがあなたの名を畏れず、/たたえずにおられましょうか。聖なる方は、あなただけ。すべての国民が、来て、/あなたの前にひれ伏すでしょう。あなたの正しい裁きが、/明らかになったからです。」」「19:4 そこで、二十四人の長老と四つの生き物とはひれ伏して、玉座に座っておられる神を礼拝して言った。「アーメン、ハレルヤ。」」
 
②「ラトレウオー」語源は「ラトリス・雇われた召使い」
・ピリ3:3「彼らではなく、わたしたちこそ真の割礼を受けた者です。わたしたちは神の霊によって礼拝し、キリスト・イエスを誇りとし、肉に頼らないからです。」で使われている語は21箇所あり、多くが「仕えて」と訳されています。
マタイ「4:10 すると、イエスは言われた。「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、/ただ主に仕えよ』/と書いてある。」」
ルカ「2:37 夫に死に別れ、八十四歳になっていた。彼女は神殿を離れず、断食したり祈ったりして、夜も昼も神に仕えていたが、」
使徒言行録「7:7 更に、神は言われました。『彼らを奴隷にする国民は、わたしが裁く。その後、彼らはその国から脱出し、この場所でわたしを礼拝する。』」「26:7 私たちの十二部族は、夜も昼も熱心に神に仕え、その約束の実現されることを望んでいます。王よ、私はこの希望を抱いているために、ユダヤ人から訴えられているのです。」「27:23 わたしが仕え、礼拝している神からの天使が昨夜わたしのそばに立って、」
ロマ「1:9 わたしは、御子の福音を宣べ伝えながら心から神に仕えています。その神が証ししてくださることですが、わたしは、祈るときにはいつもあなたがたのことを思い起こし、」
へブル「9:9 この幕屋とは、今という時の比喩です。すなわち、供え物といけにえが献げられても、礼拝をする者の良心を完全にすることができないのです。」「9:14 まして、永遠の"霊"によって、御自身をきずのないものとして神に献げられたキリストの血は、わたしたちの良心を死んだ業から清めて、生ける神を礼拝するようにさせないでしょうか。」「12:28 このように、わたしたちは揺り動かされることのない御国を受けているのですから、感謝しよう。感謝の念をもって、畏れ敬いながら、神に喜ばれるように仕えていこう。」「13:10 わたしたちには一つの祭壇があります。幕屋に仕えている人たちは、それから食べ物を取って食べる権利がありません。」
黙「7:15 それゆえ、彼らは神の玉座の前にいて、/昼も夜もその神殿で神に仕える玉座に座っておられる方が、/この者たちの上に幕屋を張る。」「22:3 もはや、呪われるものは何一つない。神と小羊の玉座が都にあって、神の僕たちは神を礼拝し、」
など。
 
③「ラトレイア」語源は「レイトゥールゴス・国家(公共)に奉仕する、公の務を果す」
5箇所で使われています。
ヨハ「16:2 人々はあなたがたを会堂から追放するだろう。しかも、あなたがたを殺す者が皆、自分は神に奉仕していると考える時が来る。」
ロマ「9:4 彼らはイスラエルの民です。神の子としての身分、栄光、契約、律法、礼拝、約束は彼らのものです。」「12:1 こういうわけで、兄弟たち、神の憐れみによってあなたがたに勧めます。自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい。これこそ、あなたがたのなすべき礼拝です。」
ヘブ「9:1 さて、最初の契約にも、礼拝の規定と地上の聖所とがありました。」「9:6 以上のものがこのように設けられると、祭司たちは礼拝を行うために、いつも第一の幕屋に入ります。」
 
(「仕える」という意味の言葉は、他にもいくつかあります。)
 
まとめると、
旧約:
「シャカ」…………礼拝する、ひれ伏す、拝む、
「アバード」………仕える、働く、耕す、奴隷とされる、
新約:
「プロスクネオー」語源「接吻する」…………礼拝する、拝む、ひれ伏す、
「ラトレウオー」語源「雇われた召使い」……仕える、礼拝する、
「ラトレイア」語源「奉仕する」「公の職務を果たす」…奉仕する、礼拝する、